栄養コラムNutrition Column

~栄養状態が改善されました~

 2022年も気づけばあと3ヵ月。時が過ぎるのはあっという間ですね。
私もこの施設に配属され1年半が経過しました。

 前回もお話ししましたが、年齢を重ねるにつれ些細なことをきっかけにだんだんと食べられなくなり、寝たきりや感染症にかかりやすくなってしまいます。

  高齢者が体重1kg増やすには8000kcal必要と言われており、これを御飯に例えると普段の食事に加え35杯の御飯を食べなくてはなりません。これを知ると、一度下がってしまった体重を元に戻すことは容易ではないですよね。

  当ホームでも昨年の1月から6月までの半年間で5kgの体重減少が起こってしまい低栄養のリスクが高くなってしまった方がいらっしゃいました。今回のケースでは昨年の6月から今月までで7kgの体重増加を確認できた方のご紹介をします。

  減ってしまった体重を取り戻すために多職種間で協力し、その方の出身地の郷土料理の提供や食事中にお話しを伺いに行きました。しかし、食事量は下がってしまう一方で本人も食べることへの意欲が低下していました。

  そこで栄養補助食品にアレンジを加え食事と供に提供し、「毎食これだけは食べてみませんか?」と提案したところ、これなら食べられるとおっしゃり、そちらは必ず食べてもらえるようになりました。本人が食べる意欲を取り戻してくれたことが体重増加に繋がりました。

  私ひとりでは気づけないことも多職種チームならではのアイデアを出し合い新たなアプローチを提案することができました。どうしたら食べやすいのかと言った、まさにこちらのHPで掲げている通りに立て直すことができた好事例でした。引き続き栄養状態が改善されるよう職員一丸となり取り組んでまいります。

[図]