管理栄養士コラムDietitian Column

コレステロールは身体に悪いもの?~コレステロールの正体と恐怖編~

 「人生の中で経験したことない内側からえぐられるような痛みが来た・・・」
これは昨年、心筋梗塞で突然倒れた私の父の言葉です。

 ある日突然襲われる心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなるコレステロール高めの状態。

 皆さんも人間ドッグでコレステロール高めですといわれた覚えはありませんか?

  そういわれるとつい卵を控えたりと、コレステロール自体を控えがちですがそれよりも気を付けて頂きたい事があります。ですが、まずはコレステロールとは何者なのかとコレステロールの怖さについてお話しします。

[図]

 コレステロールは細胞膜やホルモン、脂質の消化吸収に必要な胆汁酸の材料となります。

 体内のコレステロールには食事から摂取されたものと肝臓にて作られるものがあります。

  食事から摂取されたコレステロールは十二指腸で胆汁酸に包み込まれ、小腸から体内へ吸収されます。その後、特殊なたんぱく質と合体し体の中を移動して肝臓まで運ばれます。

  なぜコレステロールは特殊なたんぱく質と合体するかというと、コレステロールのままでは身体の中を移動することができないためです。そして、その特殊なたんぱく質の種類によってそれぞれ名前と役割をもち、その中に「HDLコレステロール」、「LDLコレステロール」という種類があります。前者は体の様々な所からコレステロールを回収し肝臓へ戻すため「善玉コレステロール」と呼ばれ、後者はコレステロールを肝臓から体全体に運ぶため「悪玉コレステロール」と呼ばれています。悪玉とはいえ、体全体にコレステロールを運ばなくては必要なところでコレステロールが足りなくなってしまうため、必ずしも悪者ではないのです。しかし、体内で必要以上に増えてしまうことで血中の活性酸素と結びつき過酸化脂質となってしまいます。それが血管の壁に蓄積していくと動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などを誘発してしまうのです。

  ではその「LDLコレステロール」と向き合うにはどうしたらよいか。大きくポイントは2つあります。そのポイントについては次回お話ししていきますのでそちらもご参考にして下さい。